在職老齢年金
老齢厚生年金の受給権者が、再就職して厚生年金に加入した場合や、国会議員・地方議会議員になった場合は、その賃金報酬、年金額に応じて、老齢厚生年金額の一部又は全額が支給停止となります。
厚生年金の加入は70歳までとなっていますが、70歳を超えて民間会社等厚生年金適用事業所に勤務している場合も、この制度の適用を受けます。
在職老齢年金の計算方法は下記のとおりです。なお、複数の老齢厚生年金を受給している場合は、計算された支給停止額を複数の年金の合計額に占めるそれぞれの割合を乗じて得た額を停止します。
支給停止額<令和4年4月以降>
年金の支給停止はありません。
②(年金+賃金) > 47 万円
支給額(月額)=年金 - ((賃金+年金-47万円)×1/2)
・年金(基本月額)
(退職共済年金+老齢厚生年金 - 職域年金相当部分 - 加給年金額 - 経過的加算額)×1/12
・賃金
標準報酬月額+(過去1年の標準賞与額の総額×1/12)
注)組合員である間は、退職共済年金の職域年金相当部分と退職共済年金(経過的職域) は支給停止となります。
注)支給停止額が基本月額を超えたときは、加給年金額も全額支給停止となります。
支給停止額<令和4年3月以前>
(1)65歳未満
年金の支給停止はありません。
②年金 ≦ 28 万円で、賃金 ≦ 47 万円
支給停止額(月額)=(年金+賃金)- 28 万円))× 1 / 2
③年金 ≦ 28 万円で、賃金 > 47 万円
支給停止額(月額)=(47 万円+年金- 28 万円)× 1 / 2 +(賃金- 47 万円)
④年金 > 28 万円で、賃金 ≦ 47 万円
支給停止額(月額)=賃金× 1 / 2
⑤年金 > 28 万円で、賃金 > 47 万円
支給停止額(月額)= 47 万円× 1 / 2 +(賃金- 47 万円)
※年金(基本月額)
(退職共済年金 + 老齢厚生年金 - 職域年金相当部分 - 加給年金額) × 1/12
障害者特例や長期在職者特例の適用を受けている年金を受給している方が、各号の厚生年金に加入した場合は、加給年金額や定額部分は支給停止となり、上記の年金(基本月額)からは除かれます。
※賃金(総報酬月額相当額)
標準報酬月額+(過去1年の標準賞与額の総額 × 1/12)
【年金支給停止額の緩和措置について】
一元化に伴い65歳未満の方の停止額については、次の要件を満たしていれば緩和措置が適用されます。
(要件)
1 施行日前から引き続き厚生年金被保険者又は共済組合員であること(継続要件)※
2 施行日前に少なくとも一つの退職共済年金・老齢厚生年金の受給権を有していること
※同一事業所継続勤務に限る。
(緩和措置の内容)
ア~ウの計算値のうち、最も低い額が停止額となります。
ア 一元化後の停止額計算(月額)
●年金 ≦ 28万円で賃金 ≦ 47万円の場合
(賃金+年金- 28万円)×1/2
●年金 ≦ 28万円で賃金 > 47万円の場合
(47万円+年金-28万円)×1/2+(賃金-47万円)
イ 10%配慮措置で停止額計算(月額)
●一元化前の制度を適用し停止額を算出・・・A
(賃金+年金- A) ×1/10 + A
ウ 35 万円配慮措置で停止額計算(月額)
●一元化前の制度を適用し停止額を算出・・・A
(賃金+年金 - A) - 35 万円 + A (0円以下となる時は0円 + A)
<計算例> ①アからウを算出し、比較します。 ア 一元化後の停止籍計算 イ 10%配慮措置で停止額計算 ウ 35万円配康措置で停止籍計算 (注1)一元化前の停止額 ②ア・イ・ウで一番停止額が低い イ 54,500円が適用され、支給停止額を退職共済年金と厚生年金で按分します(注2)。 (支給停止額) 厚生年金の支給停止額(月額) (注2)この事例は、月額で停止計算を行っていますが、法律上は年額計算となり、処理等正確なものではありません。 |
(2)65歳以上
年金の支給停止はありません。
②(年金+賃金) > 47 万円
支給額(月額)=年金 - ((賃金+年金-47万円)×1/2)
・年金(基本月額)
(退職共済年金+老齢厚生年金 - 職域年金相当部分 - 加給年金額 - 経過的加算額)×1/12
・賃金
標準報酬月額+(過去1年の標準賞与額の総額×1/12)
注)組合員である間は、退職共済年金の職域年金相当部分と退職共済年金(経過的職域) は支給停止となります。
注)支給停止額が基本月額を超えたときは、加給年金額も全額支給停止となります。